山間をのどかに走る列車
いさぶろう・しんぺい号は、人吉−吉松間を運行する観光列車で、吉松駅でははやとの風と連絡しています。肥薩線の人吉−吉松間は非常に山深く、天下の難所と言われています。明治の初期に国家の威信をかけてこの峠越えの線路を敷く工事が行われ、見事にこの山間部を走る線路が作られました。いさぶろう、しんぺいというのは、この工事の責任者二人から取られた名前で、人吉から吉松に向かうものをいさぶろう号、吉松から人吉に向かうものをしんぺいごうと呼んでいます。
このルートは天下の難所と言われるだけあって、非常に勾配もきつく、運行には苦労を伴います。ループ線やスイッチバックが見られる列車として鉄道ファンには知れ渡っています。停車駅にもさまざまな特色があり、停車時間を長く取ってあり、駅も観光の一つになっています。真幸駅は真の幸せにつながるとして、入場券が縁起物になっています。また、真幸駅のホームにある鐘を鳴らすと幸せになれるといういわれがあり、乗客は降りて鐘を鳴らすことができます。真幸駅と矢岳駅の間、高いところから見える風景が日本三大車窓に数えられており、列車はここで一時停止するので雄大な景色をゆっくりと楽しむことができます。大畑駅には車両基地があり、また戸の駅舎も古いのですが、きちんと整備されていて古き良き時代を思わせます。いさぶろう・しんぺい号は漆色に金のエンブレムが眩しい車体で、車内はレトロな雰囲気です。真幸駅から吾妻駅までの乗車券は、「真の幸せを吾妻(わがつま)へ」という意味合いがあり、結婚記念日などに贈られることもあるそうです。